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| 意見提出の切り口 |
単に「賛成」だの「反対」だのという意見もたくさん出されるでしょうが、どうせならもっと凝った意見を出しましょう。そうすれば、パブコメのまとめでも、自分の出した意見が他の意見とまとめられることなく、「件数:1」として記されて、それに対する見解も示されます。例えばこんな切り口が考えられます。
選定根拠となる情報は確かなのか
特定外来生物のリストに挙げられた生物については、生物ごとに指定の根拠となる情報をまとめた資料(*)が作られていて、情報を引用した文献も併記されている。指定の根拠とされている情報を、引用されている文献も含めて精査していき、情報が確かなものかどうかについて意見を提出する。
(*)指定の根拠となる情報
[オオクチバス以外]
http://www.env.go.jp/nature/intro/sentei/02/ref01.pdf、
[オオクチバス]http://www.env.go.jp/nature/intro/sentei/02/mat03_4.pdf
【オススメ度】★★★★★ 情報をまとめた資料は全部で約80ページもあり、引用されている文献も含めればさらに増えるので、根掘り葉掘りいろいろな指摘ができます。そうした意見に対して1つ1つ見解を示すということを環境省がきちんとやるかは微妙ですが、種の選定に関してパブコメをする以上はそれをやらなければ意味がないとも言えるので、どうなることやら。
基本方針に沿って選定がされているか
すでに忘れ去られている感もあるが、特定外来生物被害防止基本方針には、特定外来生物の選定に関する記述があり、特定外来生物の選定は、基本方針に沿って行われることになっている。
基本方針の記述と実際の選定が合致しているか、意見を提出する。
【オススメ度】★★★★ 基本方針はいろいろに読めるので、いろいろな指摘ができます。
専門家会合の手続きは妥当か
今回、外来魚問題に長く関わってきた人たちがオオクチバス小グループで珍しく合意に達したのに、決して事情に詳しくないはずの全体会合の人たちがそれを壊してしまったという構図が残った。
この経緯が良かったのか悪かったのか。この論点は、オオクチバスを特定外来生物に選定するべきか否かということ自体の論点とは別に成り立つ。
【オススメ度】★★★ 重要な点ではありますが、議論の展開には限りがあるでしょう。
(2005.2.3)
| パブコメについて本音で語ろう |
(※昨年の基本方針パブコメの際に作成したものを一部改変したものです)
○意見が採用されるか否か
ゼゼラ「パブコメは、ネタの提供だと考えるのが良いと思います。いかに正論であっても、行政が進もうとしている全体的な方向の中では採用されない場合もあるし、逆に、行政が進む方向を修正する時に、出ていた意見にうまく乗るということをする場合もあると」
カワウ「で、採用されればもちろん大成功だし、採用されない場合でも、『こんな正論なのになぜ無視するのか』とぶち上げることができる」
ゼゼラ「だから、出しておいて損はないと思う。ただ、後で触れるけど、いかにも正論である意見を出すことが重要。」
カワウ「その時に採用されない意見でも、公に示してアピールすることで影響を及ぼすというのは、環境保護運動とかでも良くあるパターンだね」
※ちなみにここで言う「正論」というのは、産経新聞が載せそうな意見ではなく(いわゆる保守系の識者が執筆する産経新聞の論説欄のタイトルが「正論」)、筋が通っているという意味です。当たり前か。
○方向は裏で既に決まっている?
ゼゼラ「パブコメというのは、意見を取り入れるための制度でありながら、もはや意見を取り入れるのが難しい最終段階で行うことになっているわけですが、昨年の基本方針パブコメであれば、基本方針の文章表現の問題なので、意見を取り入れる余地も一応はありました。しかし今回は、指定するか否かの二者択一です。パブコメで外されるものがあるとすると、それは奇跡と言って良いでしょう」
カワウ「でも、表向きは『パブコメで意見を聴いて取り入れます』という雰囲気にしておいて、見えにくいところで実際にはいろいろ決まっているというのはどうなのかな」
ゼゼラ「今の時点では、そういうものなのだと理解するしかないんじゃないかな。これからどんどん変わっていく部分だと思うけどね」
カワウ「そういう世界に縁がない一般の人の感覚では、不信感に繋がるのではないかと思ってしまうなぁ」
○意見の数はどう影響するか
ゼゼラ「理屈の上では、影響しない。と言うか、影響してはいけない。数勝負になったら、選挙と同様に、組織力のある団体の力勝負になってしまうので、制度として無意味になる」
カワウ「でもさあ、去年、法制審議会でやった人名用漢字のパブコメなんか、『意見が何件』とか言ってるよ。で、それを削除するって。でも、意見が多いのって、新聞とかで『この字はいかがなものか』って取り上げられたのを見た人が、それに影響されて意見を送っているだけなのではないかと」
ゼゼラ「まあ、そうなんだよね。数えられる以上、数えてしまって、それに影響されるのが現実。中環審・外来生物対策小委員会委員長の岩槻邦男氏も去年、『新生物多様性国家戦略の案のパブコメで、千数百ぐらいブラックバスに関する批判的なコメントがあったが、この法律をつくるときの中環審答申案パブコメでは、見るべき数がなかった』なんて言ってしまうという現実。同じ意見でも、1件と1000件では、受け取られ方は違ってしまう」
カワウ「一定の数はあったほうが良いと」
○意見の書き方
ゼゼラ「パブコメに限った話ではないのですが、同じ結論に至る意見でも、違う理由付けがあり得ます。例えば...」
[A]「私は、外来生物であるブラックバスを釣ることを趣味としている。特定外来生物の選定では、こうした価値も考慮してほしい」
[B]「既に広く定着している外来生物を駆除するためには、莫大な費用がかかる。国・地方とも、財政が非常に厳しい状態にある中で、新たな支出には極めて抑制的であるべきである。既に定着した外来生物は、特定外来生物に指定して利用を厳しく制限し、駆除に莫大な費用をつぎ込むよりも、むしろ有効利用を促進した方が公益に資するのではないか」
ゼゼラ「...という2つの意見があり得て、これはどちらもブラックバスを特定外来生物にしない方向の意見になるわけです。で、客観的に見てどちらの意見がより広く受け入れられる正論かと言うと、どう考えたって[B]なわけです。だから、心の中にあるのは[A]の意見で、[B]の意見を実際には持っていなくても、[B]の意見を出したほうが、結果的に[A]の意見が実現されやすくなるはず」
カワウ「でも、バス釣り関係者が言っているのであれば、誰が言っているかという属性で判断されるんじゃないの?」
ゼゼラ「パブコメは、だれがどの意見を言ったかということは公表されないし、個人レベルの意見になると、その人がどんな属性を持つのかは、そもそも調べようがない。だから、駆除に無駄な金を使うなという意見が来たという事実だけが残って、しかもその件数がそれなりだったとすると、影響を及ぼしやすい」
カワウ「それって制度の欠陥と言うか、制度の悪用と言うか、そうじゃないの?」
ゼゼラ「確かにそんな気もしなくもない。ここでこんなことを書いているからネタバレしてるけど。どんな立場であっても、裏でこっそりそういう作戦を考えて意見を送ることは可能で、それを繰り返していくと、パブコメ制度の趣旨が失われて、崩壊する可能性も無きにしも非ず。ただ、正論は採用して、そうでないものは採用しないということを行う限りでは、変なところに行き着くことはないと思うけど」
カワウ「結論としては、実際には自分の意見ではない意見を出すことで、自分を有利に導こうということか? なんだかなぁ」
ゼゼラ「実際にそうするかどうかはともかくとして、そういう現実はあるということかな」
(2005.2.3)
| ミナルディを見習うディ作戦 |
ミナルディを見習うと効果的にパブコメを提出することができる。
ミナルディとは、F1で最も遅いチームの1つ。いわゆるプライベートチームで、大手自動車メーカー系のワークスチーム(フェラーリ(フィアット)、ルノーとか)と比べて資金力に圧倒的な差があるため、勝負になるわけがなく、最初から勝つことは目指していない(トヨタのように資金力があっても勝負にならない困ったチームもあるが、あれは見なかったことにしよう)。ミナルディにとっては資金を確保してチームを存続させることが第一なので、ドライバーとなるためにも早く走れるだけでは駄目で、持参金(スポンサー)を持ってこれなければならないという、レンタカーのようなチームである。
現在は変更されたが、以前の予選形式は、決められた1時間のうちに実質4回のタイムアタック(1周をどれだけ早く走れるかを競う)をするというものだった。コースコンディションや他チームとの駆け引きの都合上、最後の方に走った方が有利なので、タイムアタックは1時間の最後の方に集中した。このため、予選1時間の最初の頃は、コース上を走る車はなく、テレビの生中継ではのんびりムードさえ漂ってしまっていた。
そこでミナルディのコースインである。他に車は走っていないので、テレビは延々とミナルディを映すことになる。ミナルディが映るということは、ミナルディの車体のスポンサーロゴが映るということでもある。それによってスポンサーを満足させ、チーム存続のための資金を確保するという戦略だった(たぶん)。
このミナルディの戦略は、パブコメでも活かすことができる。パブコメは早く出した方が得なのだ。
締切間際まで時間を使おうとする人が多いのは何でも同じで、パブコメでもそうだろう。しかし、受ける側の環境省にしてみれば、スケジュールは詰まっているので、提出意見の整理はなるべく早く始めたいはずだ。早い時期に提出された意見を基に類型を作成しておき、締切間際に嵐のように届く意見はその類型に当てはめて数を数えるという作業になっていると思われる。
つまり、締切間際に出すと、すでにあった意見類型に当てはめられるだけになってしまう。しかし、何の変哲もない意見でも、早い時期に提出すると目立ち、パブコメを整理する上で重く扱われることになるのだ。
カワウ「これ本当?」
ゼゼラ「書いた僕も半信半疑」
(2005.2.5)
| 参考になる資料 |
○最近話題の「パブコメ」とは何なのか(青柳純/「フライの雑誌」67) パブリックコメント制度に関するとてもまともな解説
○ケータイ用語の基礎知識「第194回:パブリックコメントとは」(大和哲/ケータイWatch) 昨年のソフトバンク携帯電話周波数割当パブコメ事件を受けた解説記事
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