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9月県議会

本会議は県議会ホームページで公式の会議録を読むことが出来ます。
滋賀県議会会議録 http://www04.gijiroku.com/shiga/

2002.10.8 琵琶湖環境農政水産委員会

農政水産部所管の質疑要旨

森茂樹委員(共産党)

 3000tの外来魚を駆除して1250tにし、ニゴロブナを1100tに回復させるということだが、なぜ1250tと1100tになるのか、理屈の上で教えてほしい。


浅田博之・農政水産部長

 申し上げられるほどのデータはない。過去の漁獲量から検証すると、1250tかどうか、根拠を示せと言われると、専門家の推計としか申し上げられない。今、外来魚が3000tかも、琵琶湖を総さらいはできないのでわからない。そういうことから1250tに戻し、種苗放流も積極的に行っていくということであり、科学的根拠には欠ける。


森茂樹委員(共産党)

 1250tと言わずにもっと減らせばよいのではないか。1250tが達成されればさらに進める決意か?


浅田博之・農政水産部長

 1250tにするのは、3年計画から2年計画とした。今年度も来年度も検証を行い、外来魚・在来魚の状況を十分把握する。国も支援も得て、残った1250tも限りなくゼロにすることを目標にする。


森茂樹委員(共産党)

 国での外来魚対策の位置づけは? 全国的に他の場所でも行われているのか。


水産課長

 他の場所でも行われている。水産庁では外来魚対策の懇談会をもち、環境省では生物多様性国家戦略や法整備を行っていく。水産庁は、全国的に有害だということで進めている。


森茂樹委員(共産党)

 ガーが捕獲されたというニュースがあったが、観賞魚としての輸入自体を止めないと、家庭の水槽に来ることを止めないと、生態系の破綻・氾濫は収まらないのではないか。カブトムシなどの例もある。いわば後手。県として、元の対策を国に意見を上げてほしい。


水産課長

 大変危惧しているところで、輸入禁止の要請はしている。環境省が対応していると聞いている。


滝一郎委員(自民党琵琶湖クラブ)

 外来魚対策には賛成だが、今までの経過からすると心配がある。漁協の対応をしっかりしてもらわないと困る。外来魚が減って獲りにくくなると獲らなくなってしまうようになるきらいがある。そのあたりをきちっと指示を。確実に減らすという方向に持っていかないと、値段だけを鵜呑みに聞いていたのでは...


水産課長

 県漁連と十分協議しており、500円の期間もアユの禁漁期間のみとし、1月以降は取りやめた。580t駆除するという確約もいただいた。


北川弥助委員(自民党琵琶湖クラブ)

 能登川漁協でも漁獲が減って大変なことになっている。


水産課長

 種苗放流をしても外来魚に食べられてしまうので、まずは外来魚を駆除していこうという方針。


世古正委員(自民党琵琶湖クラブ)

 DNAを操作して駆除するという研究の話を聞いたが、そういうことはやっているのか。


水産課長

 3倍体にして繁殖行動はするが繁殖はできないという研究はしているが、弊害もあり天然水域には放流していない。沖縄でのウリミバエの例などはあり、水産庁に言っているが、弊害もあるということでやめている。


世古正委員(自民党琵琶湖クラブ)

 もうちょっと何かできないか。


水産課長

 国の委託による外来魚駆除技術事業化試験で、そのようなことも含めて研究していく。


森茂樹委員(共産党)

 アユが獲れているというのはアユの放流の効果が高いからか?


水産課長

 春産卵魚は外来魚と生息空間が一致するというのが調査結果。アユは孵化したら即深いところに行く。アユは今のところ豊富にある。

2002.10.7 本会議一般質問

森茂樹議員(共産党)の質問要旨

 琵琶湖は世界で3番目の歴史があり、50種以上の固有種が生息し、近畿に水を供給する近畿の命である。高度経済成長期には、水質・環境に大きな影響を与えてきた。工場排水、用排水分離の農業、ヨシ帯の破壊、干拓、埋め立てなど、人は身勝手にいじめてきた。現在も、宅地開発、工業団地の造成、ダムの建設などが行われているが、琵琶湖の環境悪化の原因がどこにあると考えるか。特に開発との関係についてどう考えるか。どんな営みが悪かったか、今進めているものに悪いものはないのか。これを明確にしなければ、レジャーだけが悪いということになる。

 2スト規制の猶予期間は2年以下にするべきと考える。即時禁止の改造艇と同様に早めるべき。

 罰則なしのC&R禁止は、一定の有効性があり賛成だが、関係業者にどの程度の被害があるのか不明である。営業保証の考えがあるか。どのような影響があるか調査すべきではないか。

 ワームについても禁止すべきと考えるが、ワームの影響についてどう認識するか。


国松善次知事の答弁要旨

 戦後、土地利用、産業、生活が大きく変化した。こうしたことについて検討し、取り組みを不断に続ける必要がある。マザーレイク21計画はもちろん、引き続き取り組みを進めていく。

 琵琶湖は400万年の歴史を持つ古代湖で、物質にとどまらず、文化の形成、精神のやすらぎなど様々なものを人に与える。レジャーによる環境負荷の低減が求められており、琵琶湖を健全な姿で次世代に引き継ぐために、条例を提案した。

 改造艇は以前の状態に戻すことが出来るので、財産権・利用権に配慮は特段いらないが、2ストエンジンは、エンジンの乗せ換えやボートそのものの買い替えを必要とするので経過措置を設けた。

 釣り人の増減などについて様々な意見があることは承知するが、釣り人が条例をどのように受け止め取り組んでいくかにかかわるので予測は困難と考えるが、注意深く見ていく。釣り人に理解していただけるように取り組んでいく。特に釣り人を中心に、話し合いの機会は必要と考える。

 ワームについては、可塑剤のフタル酸……の影響については調査中であり、影響の評価は現時点では困難。フタル酸……については使用の自粛措置がとられ、生分解性ワームも開発されるなどしている。環境配慮製品が開発され、その普及を進めることで対応する。


森茂樹議員(共産党)の再質問要旨

 答弁漏れがあり、あまりにもひどい。(※この指摘は、他の質問項目についても含むもので、リリース禁止だけという意味ではありません)

 「これまで良くないことをしてきた。現在はないのか」ということに答えなかった。

 2ストに経過措置があり改造艇はないことについて、この差異についてどう考えるかについて答えなかった。


国松善次知事の答弁要旨

 私なりに答えさせていただいたつもり。改造艇については権利に配慮することは難しいと述べたつもり。


西沢久夫議員(県民ネットワーク(民主・社民系))の質問要旨

 レジャー条例要綱案が発表されて以降、賛否様々な意見が寄せられた。条例案に前文を加えることになったが、なぜ前文を加えたのか改めて説明を。

 レジャー利用者、県、県民の間で共通理解がされていないのではないか。実効性を高めるためには共通理解が必要。琵琶湖固有の生態系保全をどう体系立て展開するのか。今後、理解を高めるためにどうしていくのか。具体的方策も含めて説明を。

 琵琶湖固有の生態系保全については、相当な努力と時間が必要ですが、異議を唱える人はいないと思う。この条例はレジャーの面でしか捉えていない。マザーレイク21計画の実現に向け、琵琶湖保全基本条例なども必要と考えるがどうか。

 水草の繁茂がブルーギル繁殖に繋がっているのではないか。刈り取りをいっそう進めるべきではないか。

 9月29日に戻す会の駆除大会を視察した。ギルが入れ食いの状態で、人の食べるものなら何でもエサになる。在来魚が釣れる状況ではない。バスはほとんど釣れなかった。67.5kgが釣れて、99%がギルだった。このような状況になるまで水産行政は何をしてこられたのか。ギルは水試から逃げ出したとも言われるが、そうした経験から何を学びとったのか。

 水産行政はハッキリした成果を見せなければ、嘲笑されるだけ。今後の決意は?


緒方俊則・琵琶湖環境部長の答弁要旨

 前文を追加したのは、パブコメで22000件以上の意見・情報が寄せられ、リリース禁止反対の署名も55000件あまり寄せられ、理念・背景をハッキリ示す必要があるため。

 琵琶湖は日本最大の湖で、400万年の歴史がある古代湖で、50種以上の固有種が生息、豊かな生態系があるなど、貴重でゆるぎない価値がある。生物生存空間を確保すると共に、外来種の駆除もすすめる。未解明なところもあり、調査も進めていく。幅広い協働で持続的な取り組みが必要と考える。貴重でゆるぎない価値のある生態系を健全な姿で次の世代に引き継ぐためには、深く理解いただき、思いを共有し行動する必要がある。専門誌、電波媒体、シンポ、ホームページなどで理解をいただく取り組みを粘り強く行っていく。特に釣りファンとは話し合いの機会を持つことも重要と考える。

 条例を実効性のあるものとするためには、効果的な手法を選択し、協働の下、着実に進行する必要がある。新たな条例化かはともかく、マザーレイク21計画を基本に、県民と協働で進め、琵琶湖を健全な状態で次世代に引き継ぐよう努力する。

 水草刈り取りが駆除効果を持つということであれば取り組むが、科学的知見が必要。今は根を残して刈り取りをしている。水草の低減については今後検討していく課題。


浅田博之・農政水産部長の答弁要旨

 これまでの水産行政の対応について。漁業調整規則で昭和20年代から許可なく移植することを禁止してきたが、残念なことに、ギルは昭和40年に西ノ湖で発見され、平成5年に大繁殖をした。バスは昭和49年に彦根市沿岸で発見され、昭和58年に大繁殖した。今年6月には、コクチバスの密放流が確認されている。バス・ギルは魚食性が強く、影響を与えるため、昭和59年には漁業者が駆除に立ち上がり、昭和60年からは漁連に支援をし、外来魚の駆除・抑制、C&E、密放流防止の啓発など、様々な形での事業展開を行ってきたが、親が子を保護する習性や年に数回も繁殖することから効果を得られず、残念で悔しい思い。

 ギルは、アメリカから昭和35年に国の水産研究所に持ち込まれ、おいしい魚として各地に分与されたり天然水域に放流された。プリンスフィッシュとして民間でも放流された。滋賀県では、昭和38〜39年に水試に分与され、イケチョウガイの種苗生産に用いられるなど、昭和47年まで研究の対象としていた。生態系への影響については不明な点が多いことから、試験場内での飼育を基本とし、西ノ湖では二重の網を用い、終了時には全尾数を確認した。民間に配布したことや天然水域に放流したことはなく、なぜギルが琵琶湖に侵入したのかは今となっては不明。(このあたりヤジ多数)本来の生態系に影響を与える外来魚は、新たに入れないこと、初期段階で徹底的に駆除する必要があるということを学んだ。

 ニゴロブナやホンモロコが1100t獲れた昭和58年の外来魚の推定量1250tにまで駆除し、種苗放流、ヨシ帯などの生態系修復に取り組み、生息状況の把握に努め検証していく。共生は困難で、外来魚ゼロを目指して駆除を行い、安定した生態系と本来の琵琶湖漁業を取り戻していきたい。


西沢久夫議員(県民ネットワーク(民主・社民系))の再質問要旨

 一点どうしても気になるのはレジャー条例案について。バスを釣っている人たちに、生態系の保全について共通理解がされていないのではないか。もっと説得のようなものをするべき。様々な形で、行政と若者のいがみが出てくる。若者文化というものがある。協議、話し合い、共通理解が必要。もう一度具体的に。


緒方俊則・琵琶湖環境部長の答弁要旨

 前文で趣旨を明確にし、琵琶湖の価値、生態系の大切さを伝える。話し合いの機会を持っていく。

2002.10.4 本会議一般質問

家森茂樹議員(自民党・琵琶湖クラブ)の質問要旨

レジャー適正化条例案は、今議会最大案件の1つを言われている。2月議会より議論され、今議会においても議論されている。条例案には、理解できる点、議論できる点があり、委員会で議論される。

条例制定の経過、理念を明らかにするための前文であるが、情緒的で感傷的すぎる。義務を課し、権利を制限するためには、より客観的合理的で、叙事的要素であるべき。理論的な体系をわかりやすくするべきで、条例案の前文や目的はいま少し読み取りにくい部分がある。

前文には「私たち」が11ヵ所で使われ、うち6つが「私たち」が主語になっている。「みんながそうしているから」と言われると日本人は弱い。これは押し付けではないのか。真に県民総じてという意味でないといけない。

例えば、前文に「私たちは、琵琶湖を訪れる多くの人々が、その雄大な自然に触れ、琵琶湖の価値を共有することを心から望むとともに、これらの人々に私たちの得た教訓を伝え、一人ひとりが、その活動において...」とあるが、「私たち」「人々」「1人ひとり」が誰を意図しているのか。行政の押し付けであってはならない。

マザーレイク21計画では、琵琶湖の自然との共生、琵琶湖を健全な姿で次世代に、昭和30年代の水質と本来の生態系を謳っている。姿勢がまだまだ中途半端で、外来魚と在来魚の共存か、外来魚の全滅か、将来にバス釣りが出来なくても致し方ないのか、選択をはっきりとすべき。

動物行動学者のリチャード・ドーキンス氏や、県立大学前学長の日高敏隆氏は、「利己的な遺伝子」ということを言っている。遺伝子は利己的なものであるのだから、共生という考え方は疑問である。突然侵入した外来魚に耐えうるのか。在来魚と外来魚の共存が、自然な生態系としてあり得るのか。

梅村議員の質問に、県は「共生は困難」と答弁したが、なぜリリース禁止が必要かをわかっていただけるためには、リリースは犯罪でも罪でもないが、琵琶湖のためにはこの考え方に賛同いただけないのなら利用していただけないという考えが必要。

困難かもしれないが、駆除を進め、有害外来魚をゼロにするという宣言をしていただきたい。

条例前文は、琴線に触れるものにすべき。環境熱心知事として今こそ旗を立てるときである。


国松善次知事の答弁要旨

レジャー適正化条例案は、レジャー利用の多様化、利用者の増加、意識の変化などから、自然環境・生活環境に影響が生じてきており、マナーでは対応できず、新たなルールが必要との考えから提案した。

パブリックコメントでは全国より22000件以上の意見が寄せられ、条例の理念、制定の背景を示す必要があるため前文を設けた。パブリックコメントではリリース禁止に反対の意見が多かったが、琵琶湖の生態系は憂慮ならない状況で、これまでの延長の努力規定では効果が見込めないことから、琵琶湖での新しいルールとして規定した。釣りだけのルールではなく、琵琶湖についてどういう視点で考えるかという価値観の問題。

目的の達成には、県民挙げての達成が必要で、前文でメッセージとして示した。30年前の状況を取り戻すために、駆除事業などと共に、県民こぞってギル・バスの絶対数を減らすことが不可欠。

琵琶湖では外来魚の移植を認めておらず、駆除すべき有害な魚であり、レッドデータブックでも外来魚はきわめて深刻な影響を与えている可能性が高いとされている。

外来魚がいないのが本来の姿であり、みんなで取り組んでいかなければならない。独自の生態系が壊れるという危機感から、琵琶湖を健全な姿で未来に引き継ぐために、今何をすべきかということを考えてのもの。人間中心から自然中心へのパラダイムの転換。すべての人々の思いとなるよう努力していただくものと考える。

2002.10.3 本会議一般質問

梅村正議員(公明党)の質問要旨

生態系変化の解明への取り組みと条例の意義について説明を。

生態系は弱く複雑で精巧なシステムで、この30年間でバス・ギルが入りバランスが崩れた。植物プランクトンの異常発生も起きている。経過と現状について説明を。

エリ網に植物プランクトンが大量に付着するという現象が起きている。原因究明と対策を。

琵琶湖の生態系についての対策と保全はどのようなことを目指すのかがわかりにくい。目標や姿、全体像を示すべき。

県は、水産試験場、衛生環境センター、琵琶湖研究所などで研究を行ってきた。在来種の変化はどうなのか。水温の変化、動植物の変化は。根本的原因の解明をするべき。

私たちが行ったアンケートの現場の声をどのように受け止めたか。琵琶湖を愛するけれども反対という立場にどう理解を求めるのか。

アンケートの結果、レジャー利用者はリピーターが多く、またマナーが悪いという声も多かった。生活環境への影響について、どう対応していくのか。

生態系破壊への危惧を多くの人が持っていることがわかり、C&Eの呼びかけも70%が知っていると答えたが、釣り人の間ではリリースが常識になっている。このことにどう取り組むのか。回収場所のあり方についても検討が必要ではないか。

この条例の基本計画の策定に当たっては、定期的な効果の公表と見直しの協議が必要ではないか。

2スト規制は、環境基準以下なのになぜ規制が必要なのか、見解を。

外来魚と在来魚は共生ができるのか、見解を。研究機関に問い合わせたところ、異なる進化の歴史を持つ種なので不可能ということだった。

とすると、外来魚は限りなくゼロにする必要があるが、緊急対策が終わる3年後にはどう判断するのか。人の力に頼るだけではなく、どのような有効な取り組みをするのか。全体的な取り組みをするべき。こうしたことについて研究はどのような状態か。

子供を持つ母親から、「子供にどう説明したらよいのか」と手紙をもらった。動物愛護、生態系について児童生徒にどう説明するのか。

今後、新しい移入種への対策について、厳然とした取り組みが必要と考えるが、見解を。


国松善次・知事の答弁要旨

琵琶湖には、600種の動物、500種の植物、50種以上の固有種が生息する貴重な生態系があり、今後の推移を憂慮している。淡水赤潮は昭和52年、アオコは昭和58年に発生して以来、毎年繰り返している。最近ではアオコの構成種が変化している。琵琶湖の北部、中央部のプランクトン調査では優占種が変化してる。水草では、コカナダモやオオカナダモが繁茂するようになった。平成6年の水位低下以降、南湖では在来の藻の繁茂がおきている。バス・ギルが繁殖し、在来種が減少している。調査研究が進められているが、様々な要因が複雑に関係している。

エリ網への植物プランクトンの付着は、4〜5年前から起きており、琵琶湖生態系検討会議、琵琶湖生態系研究会で要因や対策を検討している。主体は粘性のある糸状の付着性のもので、泥の粒子なども付着させ、加速度的に付着していく。調査をし、なぜ増殖するのかを明らかにし、対策を行っていく。

マザーレイク21計画に基づき、様々な取り組みを行っている。生態系保全に資する1つとして、マザーレイク21計画の一環として、レジャー利用でも協力していただく。

琵琶湖の生態系には様々な変化が認められる。水温上昇などの要因との結びつきは解明されていないが、解明は重要な課題と認識している。対応策について検討を進めている。

自然護岸、ヨシの保護増殖、浚渫による底質の再生なども取り入れ、総力を挙げて保全に取り組む。

アンケートは大変参考になる資料。リリースは価値観の問題で、琵琶湖に今何が必要か、理解をいただけるよう粘り強く様々な方法を行っていく。特に釣り人と話し合う機会を持つことも重要。回収方法についても検討する。

意見の聴取に尽くしてきたが、審議会の設置、基本計画策定に当たって意見を取り入れるなど、意見の集約に努める。

移入種は地域の生物多様性に直接・間接の影響を与え、生態系を撹乱する恐れや懸念がある。侵入の予防、初期段階での発見・対応、侵入後は駆除・管理が必要とされている。湖沼のような閉鎖性水域は脆弱で、侵入を予防すると共に、侵入したものは駆除することが重要と考える。


緒方俊則・琵琶湖環境部長の答弁要旨

ゴミや駐車などマナーの問題は、法令による対応、施設管理者による対応、啓発に取り組み、生活環境に総合的に対策を講じる。

リリース禁止の実効性については、回収場所の整備は必要と考える。回収方法や有効利用の方法については検討中。釣り人や関係団体とも協議する。

啓発は、イベント、監視員、ホームページ、専門誌など、わかりやすいかたちで行う。

意見交換の場については、適正利用審議会、基本計画策定のパブリックコメント、また別途、関係者との意見交換の場も設ける。

効果の把握や見直しについては、社会情勢や利用状況にあわせて随時行っていく。

ボート用エンジンは水中排気で、とりわけ2ストは未燃焼の燃料を多く排出する。炭化水素や窒素酸化物が、4ストや環境対策型の5〜10倍になる。影響がより大きく、環境への負荷をできる限り軽減するために転換をすすめるために規制する。

東アジア大陸で進化をした在来魚と北米大陸で進化をした外来魚には共生の歴史がなく、過度に侵害的になる。深泥池や伊豆沼の事例などがあり、琵琶湖でも共生は困難と考える。

3年後の取り組みについては、駆除やリリース禁止と共に、マザーレイク21計画による様々な取り組みを行い、自然本来の持つ機能を高めていく。


浅田博之・農政水産部長の答弁要旨

琵琶湖では持ち込みを禁止していたが、バスは昭和49年に彦根で発見され、昭和58年ごろから増えた。ギルは、昭和40年に西ノ湖で発見され、昭和45年頃から全域で見られるようになり、南湖を中心に大繁殖している。魚食性が強く影響を与えるので駆除してきたが、従来の対策では効果がなかった。

このため、3ヵ年の緊急対策を行い、1750tを駆除する計画だが、今年は既に計画を上回り、9月30日の時点で277tと昨年同期の1.7倍になっている。さらなる支援を国から得て、2年計画に見直し、今年度は580tを駆除したい。

フナやモロコが1100t獲れていた昭和58年の外来魚推定量1250tを当面の目標とし、毎年度、状況の把握に努め検証する。

外来魚の駆除を進めると共に、在来魚の種苗を放流していく。

繁殖を超える駆除が必要なので、平成15年度に総括し、その後を検討する。

異なる進化の歴史を持っているので外来魚と在来魚の共生は困難と考えられ、外来魚は可能な限り少なくする。

元々の生態系の中での本来の琵琶湖漁業を取り戻したい。


西堀末治・教育長の答弁要旨

環境教育に努め、琵琶湖の豊かな恵み、独自の文化、その大切さを学ぶようにしている。子供個々の思いを大切にしながら、生態系保全への学習が必要と考える。


梅村正議員(公明党)の再質問要旨

1750tを捕獲して昭和58年に戻し、栽培漁業も行うということは、共生ということか。外来魚と在来魚は共生できないということ―その通りだと思うが―ではないのか。確たる根拠がないのになぜそう言うのか。今までの答弁では、そういうことは成り立たないのではないか。到達点が1250tでいいのかどうか。

本質的解明を図らなければ、今のような答弁にしかなりえない。原因がわからないのに取り組みをするのでは、どれだけの効果があるかわからない。根本的な原因究明の体制が就いていない。異常現象を根本的に究明しないと、到達点の見えない取り組みになるのではないか。原因に総力を挙げて取り組まなければならないと考える。


国松善次・知事の答弁要旨

生態系は様々な生物によるもので、まだまだよくわからない。少なくとも外来魚は共生できないので、可能な限り駆除していく。様々な研究はもちろんやっていかなければならない。努力していく。


浅田博之・農政水産部長の答弁要旨

1750tが目標で、さらに可能な限り駆除を行い、種苗放流もセットで行うということである。


佐野高典議員(自民党・琵琶湖クラブ)の質問要旨

レジャー適正化条例案は、全国的に大きな注目を集めている。特にリリース禁止に反対する声が日釣振を中心に数多くある。食害について科学的データがないという主張をする。代表質問で芥川議員が「どのような影響があるのか明確に」と質問した。バスは魚やエビ、ギルはそれに加え魚卵を食べ、1kg成長するのに10kgのエサを必要とし、ホンモロコ、フナ、ワタカ、エビは食害を受けやすいという答弁だったが、根拠や説得力に欠ける。

近畿大学の細谷和海教授によると、ゆたかな水生植物が残る深泥池を1972年から数年おきに調査したところ、当初在来種が11種いて重量比90%以上、外来魚はライギョのみであったものが、バス・ギルが入り、在来種3種までに激減したという。

また近畿大学の足羽寛嘱託研究員によると、ヨシの残る湖北の野田沼でもフナがほとんど見つからなかったという。「このままだと全国でバスやギルが中心になる」「ヨシが残っていても、バス・ギルがいるとダメ」「バス・ギル対策が緊急課題」「バス釣りは生態系を食いつぶす」ということだった。

「開発による自然破壊が最大の要因」「科学的根拠がない」という反対意見にどう答えるのか。

2月・7月の県議会で、農政水産部長は3ヵ年の緊急対策を行うとのことだった。順調に進んでいるようで、アユの禁漁期間は特別月間としているが、直近の状況はどうか。

予想以上に駆除が進んでいて、スピーディーに予定が達成することが予想されている。外来魚をかぎりなくゼロに近づけるので、対策の延長も考えていかなければならないと考える。

雇用創出事業で行っている繁殖阻止の実績はどうか。

外来魚駆除は一朝一夕にはいかないが、8月には南湖でホンモロコの稚魚が見られるようになったといううれしい話も聞いている。こうした状況をどのように把握しているか。また駆除の効果の表れと考えるか。

ニゴロブナの稚魚を水田に放流し、大きくしてから琵琶湖に放流するという取り組みで、生存率を数パーセントから60パーセントに上げているということだが、成果と今後の取り組みを。


浅田博之・農政水産部長の答弁要旨

在来魚減少の原因としては、産卵場となる湖岸の改変、水質汚濁、外来魚の大繁殖などさまざまな要因が指摘されている。

在来魚と外来魚の漁獲量を比較すると、バスが大増殖した1〜2年後からフナが急激に減少しており、フナが1/6、コイも1/6と著しく減少した。ホンモロコの稚魚やスジエビを食べるギルが大増殖した平成5年を境に、モロコは1/9、スジエビは1/4と著しく減少した。在来魚は外来魚の増加に伴って減少しているため、減少要因は他も考えられるが、もっとも大きい要因と考えている。

根拠は外来魚の食性で、昭和60年の調査では、バスの胃には魚や甲殻類が入っており、他の調査でも同様になっている。また平成12年の調査では、ギルの胃に稚魚や魚卵が入っていた。

捕食量は、複数の研究者の飼育実験によると、水温によって異なるが、バスは体重の0.1〜3%、ギルは0.3〜2.7%を食べる。これらから、バスが500t、ギルが2500tという平成13年の琵琶湖の推定量を元に計算すると、年間でバスが2400t、ギルが3500t、あわせて5900t捕食されていることになる。魚とエビの漁獲量1968tの3倍になる。

在来魚の繁殖への影響については、平成6〜7年に行われた水試の調査によると、在来魚の産卵場所となるヨシ帯の中、ヨシ帯の前にバスやギルが生息しており、深泥池や湖北の野田沼でも在来魚が激減しており、伊豆沼などでも報告されている。食害や繁殖への著しい影響は明らか。琵琶湖を同様の道をたどらせてはならない。琵琶湖を次の世代に健全な形で引き継ぐことが責務。

9月30日現在で、昨年同時期比1.7倍の277tを駆除した。昭和58年レベルにまで駆除を進める。今年度は580tを駆除する計画とし、緊急対策は2ヵ年に短縮し、計画達成に努める。

「延長を」という提案には心強く思う。外来魚ゼロを目指して取り組みたい。

雇用創出事業では、外来魚の親を20t、稚魚を358万尾駆除した。来春にかけて、親の駆除に努める。

固有種の数は、8月に南湖のエリにこの春生まれたホンモロコが毎日1〜2kg入るようになった。近年なかっただけに、復活の明るい兆しととらえ、再放流したと聞いている。また沖島から彦根にかけては底引き網1網でスジエビが30〜50kg、湖北では近年入らなかったニゴロブナの稚魚がエリに入るようになった。

またギルの密度も、草津市北山田の調査では、昨年度平均369尾だったものが、今年度は31尾となっている。相当量抑制された結果と考える。半年しか経過していないので、充分な判断は出来ないが、今後も調査に努める。(「それは網がやぶれとる」と自民党議員からヤジ)

水田5ヶ所でニゴロブナの稚魚を30アール3万尾放流した。漁業者と農家の共同で新たな種苗生産の場とし、一刻も早く在来魚増加に取り組んでいく。

2002.9.30 本会議代表質問

芥川正次議員(自民党・琵琶湖クラブ)の質問要旨

 琵琶湖は古代湖の1つで400万年の歴史がある。人が住み始めたのは1〜2万年前にすぎない。住み始めたころは、魚介類と森の産物を食料とし、それが食文化として発展した。最近、固有種の漁獲量が減っている。琵琶湖はかけがえのない存在で、全国的価値があり、琵琶湖を守ることは県民の総意であり、各分野で取り組みが進められている。レジャーに関する条例は全国初で評価できる。懇話会の提言、パブリックコメント、独自案、意見書を考慮したと存ずる。周辺住民は騒音やゴミによって耐えがたい苦痛を受けており、なんとかしたい。背景、必要性、思いを知事に伺う。

 リリース禁止規程で、固有魚の減少と外来魚の増加がクローズアップされた。外来魚がどのような影響を与えているのか、理解を得る第一歩としてわかりやすく説明を。

 リリース禁止のみでは琵琶湖の生態系は取り戻せない。公平感のためにも、生態系回復のために他にどのような取り組みを行っているのか、具体的に説明を。

 罰則規定がないが、実効性をどのように確保するのか。

 航行規制はどのような考え・基準で行うのか。

 2ストエンジンは、どの程度の負荷を生じさせるのか。

 改造艇禁止の基本的な考え方の説明を。

 湖岸に許可のない不法占有の施設が多数あるが、この際きっちりとすべきではないか。

 藻の以上繁茂にどのような取り組みをしているのか。


国松善次・知事の答弁要旨

 レジャー利用の多様化、レジャー利用者の増加によって様々な問題が生じてきている。マナーだけでは解決に至らないことから、適正利用懇話会を開き、3月に提言を得た。自然環境にできるかぎり負荷を与えないという観点から条例要綱案を作成し、パブリックコメント、公聴会、シンポジウムなどで意見を集約した。琵琶湖はかけがえのない、未来から世界からの預かりものである。

 琵琶湖には多様な在来種がおり、豊かで貴重な生態系がバランスを保ってきた。ホンモロコはユスリカを食べ、ニゴロブナは泥化を抑制し、ゲンゴロウブナはアオコを抑制し、ワタカは水草を抑制し、ボテジャコやエビは湖岸の藻類を食べていたが、湖岸の改変、ヨシの減少、外来魚が悪影響を与えている。

 特に外来魚は強い魚食性がある。ブルーギルの腹からはヨシノボリや魚卵が出てくる。バスは1キロ成長するのに10キロのエサを必要とする。在来魚は食害を受けて著しく減少し、大きなひずみが生じている。

 3年計画の外来魚緊急対策を行い、C&Eの啓発などをしてきている。さらに効果的な駆除のために、捕獲、繁殖抑制をしていく必要がある。

 他にも在来魚減少の要因はあるが、マザーレイク21計画のもと、下水道の整備や水質規制、ヨシの保全や造成、自然型工法、湖岸の再自然化、種苗放流などさまざまな事業を行っている。

 罰則を設ければ効果はあると思うが、リリースは多くの釣り人に浸透しており、刑罰の対象とは考えがたい。また、証拠を得るのも難しい。釣り人には新しいルールを守ってほしい。監視員による指導、啓発をしていく。

 水草は、渇水により日光が届きやすくなることで増えており、異常繁茂により腐敗による悪臭などの問題があるため、年3000トンを刈り取っている。


緒方俊則・琵琶湖環境部長の答弁要旨

 条例案作成にあたって問題の抽出を行い、その1つとしてプレジャーボートの騒音の問題があった。騒音から住民の生活を守るため、住居、学校、病院の付近を規制水域とする。ブイを浮かべ、湖岸に看板を設置、マリーナに地図を配布し、専門誌も活用していく。レジャー利用監視員による指導も行う。

 ボートのエンジンは、水中排気で水質への影響が懸念される。2ストエンジンは未燃焼の燃料が特に多く混入し、炭化水素や窒素酸化物が環境対策型2ストや4ストの5〜10倍になる。

 改造艇は、住民の生活や他のレジャー利用者、水鳥に大きな影響を与えることから、騒音対策の観点から使用を禁止した。


栗原秀人・土木交通部長の答弁要旨

 湖岸の不法占有対策は、平成8年から大津土木事務所に先任者を設けるなど対策を進めているが、告発も含め今後対策を強化していく。早期発見、早期対応が重要。

北野加代子議員(県民ネットワーク(民主・社民系))の質問要旨

 今回の条例案は、レジャーに伴う環境への負荷の低減が目的で、心無い利用者を具体的に規制するもの。出来る限り環境への負荷のない利用であることが、様々な問題を解決に導くと考える。

 県民ネットワークは、6月以来、県漁連・ボート組合・日釣振からの意見聴取、公聴会や独自条例案の説明会に参加し、意見に耳を傾け、議論をしてきた。

 2スト規制は排ガスによる水質への影響を軽減するもので、3年間の期限前倒しは、意を同じくする。本来ならすぐにすべきだが、財産権や利用実態に配慮してとのこと。海外では水上バイクが禁止となる事例もある。なぜ2ストがダメなのかという理由と、猶予期間の5年間に影響はないのかという点について見解を。

 「回転数をみだりに増加させてはならない」など、努力規定から禁止規定としたことは評価する。取水塔やエリとの安全な距離を保つということについては、飲用水や魚類への影響も考慮するべきと考えるが、なぜ航行規制に含めないのか。

 自由使用の原則は理解するが、自然湖岸には貴重な植物などもあり、ボートの乗り入れ場所の指定や自然湖岸での乗り入れ禁止をするべき。

 リリースについては、様々な意見を聞き、議論をした。会派内では、外来魚を減らすことでは一致したが、禁止規定にするか努力規定にするかで意見がわかれ、禁止規定にすることになった。努力規定とした場合とどのような違いがあるのか、県の見解を。また、回収体制などの手当てが必要。

 70万人の釣り人のうち70%が来なくなるというアンケートもあるが、リリース禁止による釣り人の増減、関係業者の経営への影響をどのように見込んでいるか。

 また、マザーレイク21計画を実行していく琵琶湖保全の政策体系は?


国松善次・知事の答弁要旨

 2スト規制は、環境基準は超えておらず人体への影響はないものの、水中排気で水質への影響が懸念されるため。2ストエンジンは炭化水素や窒素酸化物の排出が環境対策型2ストや4ストの5〜10倍あるため、水質負荷を低減する観点から規制を行う。5年間の猶予期間は、財産を一定の配慮をしたもので、5年の間にも転換が順次進んでいくものと考える。

 取水塔やエリについては、航行規制水域は騒音の観点からの規制であるため、これに含めなかった。安全な距離を保つ遵守義務の規定で効果があると考える。

 ボートの乗り入れ場所の指定や自然湖岸での乗り入れ禁止は、湖岸は自由使用が原則ではあるが、関係法令で必要な措置をしていく。

 リリース禁止について。琵琶湖は400万年の歴史のある古代湖で、50を超える固有種など、豊かで貴重な生態系がある。しかし、魚の大半がブルーギルやブラックバスになるなど、危機的状態にある。琵琶湖を健全な姿で次の世代に引き継ぐのが責務であり、琵琶湖の問題は1つ1つ取り除いていく。外来魚は絶対数を減らすのが不可欠。昭和60年からC&Eを啓発したが、依然浸透していない。琵琶湖の環境に猶予はなく、従来の延長の努力規定では不足であるため禁止規定にした。釣り人には是非協力いただきたい。

 回収方法などは条例施行までに対応を検討していく。

 リリース禁止にした場合の釣り人の行動などについては様々な意見はあるが、リリース禁止をどう受け止めていただけるか、協力していただけるかに関わることであるため、現時点での予測は困難。

 今回の条例案提案にあたっては、他の動力船など広がりをもった議論がでてきている。条例化するかはともかく、マザーレイク21計画に基づき、必要な施策を順次行っていく。

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