| 第2回 滋賀県琵琶湖レジャー利用適正化審議会 会議概要 |
1.開催日時 平成15年(2003年) 1月24日(金) 10:00〜12:00
2.開催場所 滋賀県庁 別館(職員会館) 大ホール
3.出席委員 礒田陽子、海東英和、嘉田由紀子、加藤誠司、川嶋宗継、北村 勇、
菅沼完夫、中井麻友子、中川博次、中野 桂、早川 清、林 良訓、
細谷和海、宮川琴枝、村松佳夫 以上15名(五十音順、敬称略)
説明者 鷲巣 雄洋氏((社)日本舟艇工業会 技術委員会PWC部会長)
村越 義明氏(PW安全協会 事務局)
竹井 重治氏(PW安全協会 琵琶湖支部長)
4.議事等
◆開 会
◆部長あいさつ
<前回欠席委員の紹介>
嘉田委員 細谷委員 宮川委員
<配付資料確認>
<委員数の確認>
本日ご出席いただきました委員の数は15名全員でございます。委員総数の当然半数を超えておりますので、規則の定めにより本審議会は成立しておりますことを、まずもってご報告させていただきます。
◆議 事
●会長
本日は委員の皆さん、本当にご多忙のなかを多数ご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の議事は、一つは「プレジャーボートの航行規制水域の指定基準について」、もう一つは、条例に定めのあります「基本計画について」のご議論、この二つでございます。
(1)プレジャーボートの航行規制水域の指定基準
1)関係団体の取り組み
●会長
まず「航行規制水域の指定基準について」を議題といたしますが、前回審議会で「関係業界等の取組状況についてヒアリングを行いたい」というお話がございましたので、社団法人日本舟艇工業会から技術委員会PWC部会長の鷲巣さん、PW安全協会から事務局の村越さん、PW安全協会琵琶湖支部支部長の竹井さんにお越しいただいております。日本舟艇工業会の鷲巣さんからは舟艇工業会としての環境対策、特に、騒音対策について、技術的なお話や意見を、PW安全協会の村越さんからは全国の先進的な環境への取り組みや利用者等の取り組みについて、お話をうかがいたいと考えております。
●PW安全協会
PW安全協会の村越でございます。きょうはこのような審議会に、業界、また、利用者の立場として発言する機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず、日本舟艇工業会はプレジャーボートやエンジン等の製造・販売の業者でつくっております社団法人です。そこの技術委員会PWC部会の部会長でございます鷲巣から、特に水上オートバイ関係の騒音の低減に関し取り組んできております内容について、最初に報告をさせていただきます。続いて簡単な排ガス関係の今までの取り決めとその実績について、報告させていただきます。
その後、PW安全協会から、昨年、一昨年と、舟艇工業会とPW安全協会で検討してまいりました利用環境の全国調査や、利用環境についての提案と、今回の規制水域等に対する考え方等について、発表させていただきます。よろしくお願いいたします。
●(社)日本舟艇工業会
PWC部会長の鷲巣と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、「パーソナルウオータービークル(PWC)騒音低減に関する取り決め概要」について説明します。まず、経緯について説明いたします。
1996年までPWCの保有台数がどんどん増加していく状況で、住民の皆様からの騒音に対する苦情が顕在化してまいりました。1996年の保有台数は10万台以上ありました。それ以前にも、騒音レベルについてはあるレベルを基準にして開発しているのですが、皆様の苦情の顕在化をもとに調査を始め、そのなかで対応計画を決めてまいりました。ソフトに関してはPW安全協会を通じてユーザーの方への啓発活動を実施し、特に改造の禁止、マナーの問題に注目して特に強調して進めてまいりました。
ハードに関しては、騒音の測定方法がいろいろあり、何をベンチマークにするか、すなわち「何を基準とするのか」を定めてPWCの騒音低減をやっていくことに決めました。
この際には、住民の方が感じる騒音と測定騒音との相関がとれるような方法を見出していこうと。
その商品の使用されている環境を考慮し適切な方法で定めてまいりました。
また、1997年に具体的な数値を決めるために、琵琶湖で、県庁、警察、運輸省関係等の方20名ほどに集まっていただいて、公正な形で評価ができるようにテストを実施しております。
これをもって、どのような規制値にしていくかを我々舟艇工業会で決めるため1998年に18台のPWCを任意に選択し、発進加速方式で測定した79dBという値を設け、これを基準(ベンチマーク)として自主規制を行ってまいりました。
第1段階としては、2001年において76dB、第2段階としては本年(2003年)には74dBとして進めてまいりました。
それ以外にも、測定会を実施し、具体的に騒音レベルがよくなっているのかについて検証も行っております。
3ページのグラフは、段階的な自主規制の内容をグラフで表したものです。
最初にベンチマーク(基準)として79dBを設定し、74dBという段階を目指して、中間の2001年、2002年に1段階おいて達成していこうと考えました。
4ページの下のグラフは最新の計測状態を説明したものです。タイトルに「日本舟艇工業会のPWC騒音自主規制02年モデルの計測結果〜74dB以下を達成。03年騒音規制値をも大幅にクリア」とありますが、まずはこのグラフを説明します。
点線の一番右のものが基準とした79dBのラインです。真ん中のラインが第1段階の76dB、そして、一番左の点線が74dBです。2001年の計測結果が黄色で示した棒グラフです。
対象モデルは8モデルあり、一部のモデルでは74dBという第2段階の規制値も達成している状態でした。2002年の計測結果は青色の棒グラフで表しています。
対象は2モデルです。モデル数が少ないのは自主規制で「対象モデルは新しいモデル」と定義しているためです。
この青色の棒グラフで示した2002年のモデルは、74dBという第2段階の規制に対して70dB、72dBとなっており、「騒音を何とか下げたい」と思って開発してきた結果がこのような形で表れていると考えております。
なお、2002年のモデルは4ストロークですが、2001年モデルは2ストロークです。環境対応の2ストロークも含まれており、2ストロークモデルでも74dBをクリアするものがあるということです。
5ページは計測方法について説明しています。
騒音計のマイクロフォンより20mの位置で、艇のバウがマイクロフォンの真横に来たときにスロットルを急全回し、艇が加速したときの最大騒音値をデータとしてとり、それを記録していくという形で計測を行っております。機材などの配置は図のとおりで、データレコーダにとりこんで解析しております。
最後に、【2】マリンレジャー騒音問題解消方策(案)を示しております。
1番目には航行水域の設定について、2番目には、消音器などを改造している艇の運航禁止についてです。1997年頃、改造禁止についてソフト面の活動を行った結果、ヒアリング調査によれば、改造が半減しているという状態です。
3番目に、陸上や湖岸での空ぶかし禁止。これも徹底してやっていっています。
4番目に、運航時間についても設定していくこととしています。
5番目に、ハードである音を出す側については、我々としては努力してここまでの結果を出しているところです。
以上がきょう用意しました資料の説明です。
●PW安全協会
それでは、舟艇工業会の排ガス規制について、「マリンエンジン排出ガス自主規制概要」で説明いたします。今回は資料配付ですが、アメリカと日本はガソリンエンジンの二大生産国であり、船外機や水上オートバイの世界の約50%の生産量を持っている日本のヤマハ発動機、スズキ自動車、本田技研、トーハツ、川崎重工等は、国際的に排ガス規制をしていくべきと考えています。アメリカでは環境保護庁(EPA)が、ヨーロッパでも2004年からボート指令ができて、適用になっていますが、日本では、数年前から法律に先駆ける形で、排ガス規制のために業界の自主基準をつくっています。その業界規制は、アメリカ環境保護庁と同じ2006年までにハイドロカーボン(炭化水素)、窒素酸化物を75%削減するもので、これを7年間で達成させる計画です。
5ページは昨年までの実績です。このグラフの見方は、国内の自主規制が上の二重線、下の実線がEPAの基準です。これは単体の規制ではなく、既存モデルも含めた総量規制であり、その年に投入するモデルイヤーについて、毎年8.3%ずつ削減していくものです。グラフでわかるように、昨年まで順調に推移しており、2002年では2003年の日本の基準(国内自主規制案)を下回っており、環境対応型のエンジンにかなりの勢いで切りかわってきたといえます。
7ページは、昨年のボートショー等で使用したチラシで、排ガス規制の内容や地球環境のためにクリーンエンジンの購入を呼びかけています。
引き続き、今回の航行規制水域とプレジャーボートの利用環境について報告します。
資料-2「プレジャーボートの航行を規制する水域に関する見解 琵琶湖における利用環境整備の同時推進要望」をごらんください。
「1.航行水域の規制・制定上の視点」は、提案でございます。
1番目に、一般的には湖面や海岸、河川の航行は原則として自由であり、規制は最小限にしていただきたい。しかし、最低限の秩序と管理をするために規制は必要と思います。ただし、際限なく規制が拡大されないように特にご配慮をいただきたい。
2番目、規制の目的と根拠をわかりやすく利用者に伝えていただきたい。
また、規制する水域が際限なく拡大することのないよう、設定要件をぜひ示していただきたい。
また、規制水域については利用者にわかりやすい告知や標識の設置をぜひご配慮いただきたい。
3番目、利用できる水域については、その地域の住民や利用者の意見を組み入れた地域ルール(ローカルルール)を設定し、運用できるような方策をぜひご配慮いただきたい。
4番目、規制と同時に利用環境整備も推進をしていただきたい。
次に、「2.規制水域設定における離岸距離設定について」でございます。
航行規制水域の設定条件として、規制水域の範囲の上限を河川境界線から350mとする案は、騒音源からの距離を、住宅地における環境基準、また、暗騒音に近いレベルに至る減衰距離から求めている点では妥当と思います。
また、79dBは4年前の水上オートバイの実測値であり、最近はかなり低減されていることや同一ゲレンデで25台が一緒に走ることは安全上の面からほとんどあり得ないことを考慮しますと、かなり厳しい前提条件で決められていますので、距離は十分と考えております。
また、条例16条の排気系の改造艇の航行禁止を守るようにユーザーにも啓発をしたいと思います。また、これを守らせる確実な担保をしていく必要があると思います。
次に、「3.利用環境整備」でございます。規制と同時に、安心して自由に使えるような環境整備の推進をお願いします。駐車場や艇を揚げ降ろしする設備がないため、結果的にマナー問題や迷惑という形になっていったのではと感じております。こういった環境整備は、ハードだけではなく、地域に合った利用ルールを住民や地元の人の参加のもとにつくってはどうか。水域や走り方、時間、設備利用の仕方等のローカルルールを、利用者を参加させていただき、また、水域をよく理解いただける湖面利用者や住民の意見を聞きながら設定していくのが非常にいいと思っております。同時に、駐車場、揚げ降ろしのためのスロープ、トイレ等の利用設備も設置していただけるようぜひご配慮いただきたいなと思います。
5ページ以降は、昨年、一昨年と、舟艇工業会、日本PW安全協会等で、PWC問題についての認識とその解決策を検討してきました。これは参考にごらんいただければと思います。
「PWC管理型先行利用施設運営方式」をごらんください。これは有人管理のゲレンデの例です。人がいて管理するPWCのゲレンデが最近でき始めています。大阪府の公園管理協会が管理している二色の浜公園では、駐車場料金やスロープ利用料金は有料です。
例えば温水シャワーなどの設備が非常に整っており、同時に、登録をしています。そのため、改造している艇等は利用できません。このような厳密な管理のもとで利用者に便宜をはかる方法です。
また、淀川の一津屋地区では、まだ水域の占用許可は得ていませんが、使用許可で、地元のボランティアを中心に管理をしております。ゲートを設定しゲートの管理や、取水口付近で乗らないようにパトロールなどを地元のPW安全協会等、販売店、また、利用者の有志等がボランティアでやっています。これでもガードマン等を雇う必要があるため、協賛金を年間1人3,000円程度をいただいて自主的な登録により管理運営を行っています。
このようなゲレンデの管理方法の提案が7ページにございます。
9ページには、二色の浜や淀川一津屋地区の管理運営方式等を比較して記載させていただきました。
ここでは季節により使用時間が変わり、早朝や夕方等は利用を禁止しております。共通していることは、登録をしていること、利用料金や協賛金をいただいていること、有人の管理をしていることなどでございます。このほかに、北海道の留萌地区や関西空港の対岸にある大阪湾の田尻漁港でも似たような方法でゲレンデ管理がされております。ぜひ、滋賀県においても先進地域をごらんいただき、良い面、悪い面、ご苦労の点等を調査していただき、この審議会等に反映していただきたいと思っております。
また、舟艇工業会、PW安全協会では、琵琶湖の「利用環境の整備方法」の検討をしておりますので、まとまり次第、県の事務局にご提案させていただきたいと思っております。以上でございます。
●会 長
どうもありがとうございました。非常に参考になる貴重なお話をうかがいまして、ありがとうございます。
それでは、委員の皆様で、いまお話をお聞きになりまして、これについて何かご質問等がございましたら若干質問させていただいて結構かと思います。どうぞ。
●早川委員
ボートの騒音には指向性があるのですが、指向性などは計られているのですか。
音源が出たとき音のレベルの方向性の強いところがあります。音源に近いところでは特に指向性がありますので、どちらの方向に強いのか、計測はされているのでしょうか。
●PW安全協会
私からお答えいたします。 過去の音の測定等について舟艇工業会から報告書もあります。水上オートバイやボートは排気口が後ろにあり、向かってきた場合には音はあまりしないのですが、排気口を後ろに向けて走っている場合は、かなりマイクロフォンに受けやすい音が入りますので、進行方向による指向性はかなりあることを確認しております。
また、水上オートバイの場合は、ボートのように一定速度で走るのと違い、加速と減速の繰り返しが多く、旋回や方向性によって、音がかなり変わることが我々のテスト結果で確認されております。
そこで、不快音や騒音を評価する測定方法を琵琶湖でいろいろとテストを行った結果、発進時における加速騒音の最大値を把握するのが一番いい方法と判断し、今回の測定方法になりました。
●早川委員
それと、ベンチマークが下がっていますが、周波数としてどの帯域を、ターゲットに決めて改良など図られたのでしょうか。
●(社)日本舟艇工業会
加速や通過時の、どこの部分というデータはありますが、あまり特徴的なところはありません。しかし、エンジンから発する音は、確かに回転に依存した部分は周波数の決まった範囲です。開発するとき、「この部分の音のこの周波数を対策する」ことはやっておりますが、通過していく騒音を測るときには、先ほどいった指向性に依存した周波数が出てきますが、排気系の周波数の特徴はあらわれる程度です。
●早川委員
この計測方法の距離ですが、20mに決められているのは、どこかの根拠から決められたのですか。
●PW安全協会
これは、当初、できるだけほかの音を拾わないように至近距離でとりたいと考えて10mで計ろうとしましたが、安全性の問題と測定する場合、船を浮かべてとるため、引き波等によってマイクロフォンの動揺を防ぐことを含めて20mという距離を設定しました。
そして、騒音と周波数との関係を把握したうえで、そのなかの最大値を測定値としています。
●(社)日本舟艇工業会
あまり強烈にピークが出る形ではなく、いろいろな機種や条件ごとにピークが変わる状況です。
●嘉田委員
公害の環境基準や受認限度を設定するのは大変大きな問題で、全員が合意できる基準はないと理解しておりますが、水質などの環境基準と騒音の問題が最も大きく違うのは、騒音は感性にかかわってくることです。例えば「50dB」と数字でいっても、あるいはその50dBで計測できる音を聞いても、人によって評価は大変違います。
そこで、この審議会の重要性にかんがみて、「70dBを20mで聞いたらどういう音なのか」を、この審議会で音を出していただくか、あるいは現地を視察させていただきたい。ここで数字をいわれても大変判断しにくい。70dBが65dBになること、10mが20mになること、25台が一斉に走るのと10台走るのと1台とではどう違うのか、幾つかメルクマールを決めて聞かせていただきたい。時期的には水上レジャーの繁忙期ではないが、皆さんが努力して理解していただこうとされているのですから、事務局にもお願いをしたい。
もう1点は、「利用は全面的に自由度を高めて」と言われますが、二色の浜や一津屋は、水域の性格が琵琶湖とは全く違います。琵琶湖は1400万人の水源であり、近畿圏にとって大変重要な自然であり、かつ文化的な場所です。そこで、これまで地域の人々や行政が琵琶湖を保全するためにどのような努力をしてきたか、わかる範囲で教えていただきたい。
その2点です。一つは騒音を感覚で聞かせてほしいこと、もう1点は、「利用の自由度」ですが、地元でどんな努力をしてきたかをご理解いただけているかを少し教えていただきたい。
●(社)日本舟艇工業会
「ぜひ音を感覚的につかみたい」というお話については、開発している側としても、PWC部会としてはぜひ皆さんに、距離や台数などその違いをぜひ、レベリングをしていただきたい。確かにおっしゃられるように皆さん各個人で受け取り方が違いますので、それをベースにしてやっていただくことは非常に歓迎すべきことだと思います。ただ、きょうこの時点で「はい、やりましょう」という形にはできませんので、検討させていただいて、またご回答申し上げるという形をとりたいと思っております。
●PW安全協会
一昨年、彦根の松原湖岸で台数と音と距離との関係を、騒音計による騒がしさと聴覚で人間がどう感じるかについて、慶応大学の福田研究室のご協力を得まして行っております。騒音の計器で行う測定と、聴音でどう感じるかを実際に測定して、舟艇工業会の報告書になっており、お出しすることは可能だと思います。
また、一昨日、舟艇工業会のPWC部会で「今年、合同測定会もやってみよう」と決めてございます。そのときに委員の方でご都合がつく方は、琵琶湖でやる場合は、ご案内できると思っております。
●北村委員
琵琶湖は人間だけのためのものではないと思います。琵琶湖は古代湖であり、世界的な湖であるということは事実です。
人間からだけの視点ではなく、いろいろな動植物などが琵琶湖のなかに存在し、そして循環的に行われてきました。そういった観点からの調査はされていないのですか。
●PW安全協会
水のなかや空気中にいる生態系に対しての影響については、いまのところ業界としての取り組みはできておりません。
●川嶋委員
「湖面航行は原則自由。規制は最小限に」ということですが、現実にいろいろなルールができているわけです。非常にたくさんの課題を持っている。そして、非常に縛ったような格好でできていくのが現実です。この問題は大きな課題を潜在的に持っているということです。その一つ一つをいま解決されようとしています。実際、進める側にとって一番大きな課題はどこなのか。住民とのトラブルなどの経験を少しお聞かせ願えたい。
●PW安全協会
騒音問題は6、7年前ごろにいろいろなところでございました。そのときに水上オートバイのメッカといわれる全国の5カ所について調べた結果、マフラー系統の改造など消音効果をなくしてしまうことが圧倒的な問題でした。当時は水上オートバイのエンジンも比較的小さく、抵抗になるものは除いてしまったと思います。改造艇の場合、通常の音に対して10dB以上高い測定結果等がございました。そこで、改造をやめる方向に指導するために何をしたらいいか、日本小型船舶検査機構等や国と相談し、改造をする場合には臨時検査が必要であり、安全面からもチェックしていこくことにしました。そこで、一昨年、基準をつくり、適正な検査をお願いしています。
また、一昨年ぐらい前から、琵琶湖や淀川等で水質のなかにベンゼン、トルエン、キシレン等のVOCの検出があり、一部にはMTBEというガソリンの添加剤が検出されて、減らしていく検討を我々は始めております。MTBEは、昨年3月の時点で国産のメーカーは添加することを禁止しておりますので、この問題は解決できたと思っております。
また、ベンゼン、トルエン、キシレン等につきましても、ハイオクタンガソリンには非常にベンゼン、トルエン、特にトルエンの添加量が多いことから、「水上オートバイは通常のレギュラーガソリンで十分である」と告知しております。これは徹底されまして、その効果は出ていると思います。ただ、ベンゼン、トルエン、キシレンは、いったんは水中に入りますが、数時間でほとんど揮発してしまい逸散してしまうのですが、排ガス量を減らすためには、いまの自主規制をやっていくことが、結果的には浄化につながると信じております。
そのほかに、湖岸などから無秩序に艇を上げ下ろしすることで、その際に河岸の植生を傷めてしまう。また、道路がないところにわだち等をつくってしまうことでお叱りやご指摘を受けていることは十分に認識しております。
●宮川委員
「艇を真っすぐに走らせてターンをしたときの速度」ですが、走航しているのをみると大抵はジグザグ運航です。数艇がジグザグ走航したときの音の共鳴はなかったのか。また、先ほど消音系の改造は「速度をあげるため」というお話がありましたが、そうではなくて、音を大きく出してわざわざ聞かせたいような走航に私は感じております。「湖面利用は自由だ」とはいいますが、自由を謳歌するためには必ず責任がついて回るという認識が現在湖面を利用している皆さん方にあるのか。行政から「マナーを守れ」というよりは、販売している方や艇に乗るための教育を施しているところできっちりとマナーを教えてなかったのか。このような問題が起こった原因は、マナーの悪さにあると思いますが、どのように対応されているのか。
●PW安全協会
PW安全協会としては、ゲレンデ確保とユーザーに健全なマナーを守っていただくことに取り組んでいます。とにかく「ゲレンデを守るのはユーザー一人一人です」「指導ができない販売店は水上オートバイを売ってはいけません」と訴えております。特に1月号の『ワールドジェットスポーツ』という雑誌をみていただきますと、非常に明確に記されております。
業界全体として、ユーザーに向けて何とか発信していきたいと考えています。また、改造の問題につきましても、懇話会では「自粛」という案でしたが、「自粛ではなく禁止していただいたほうがいい」と業界から提案させていただきました。マナーを守らない限りゲレンデは失われる恐れがあります。これを解決する鍵はユーザー一人一人が握っていることをいま我々も懸命になっていろいろな場所で、いろいろなツールを使って教育なり啓発をしている最中です。
●(社)日本舟艇工業会
ハードで音のレベルを下げる。そしてマナーを守るこの両方がないとできないと考えて進めております。
●中野委員
一つは、アメリカの国立公園の報告書ではVOCはあまり問題にしていません。MTBEと多環芳香族炭化水素類を問題にしております。昨年、ILECの“Lakes
and Reservoirs”という雑誌から、ボート活動から、強い発癌性物質といわれるベンツピレンやその他の多環芳香族炭化水素類が大量に出ており底質に堆積、蓄積されている報告がありますが、モデルで1台当たりどれぐらい出るのかというデータはとられているのでしょうか。
●PW安全協会
きょうはエンジン関係の専門家が来ておりません。いまのご質問につきましては、調べまして、どういう状況になのか事務局にお答えしたいと思います。
●中野委員
いろいろな新しい機械が登場してきているが、今後も業界としてはスピード追求をされていくのですか。
●(社)日本舟艇工業会
例えばアメリカ市場では、キャップ制といいますが自主規制として、上限を決めております。それに準じた形で、業界で自主規制を決めて絶対に守っていこうと考えております。
●中野委員
それは、現在、何の規制なのですか。
●(社)日本舟艇工業会
スピードです。
●中野委員
実際に具体的には何キロですか。
●(社)日本舟艇工業会
アメリカでは65マイルです。キロに直すには1.6倍します。
●中野委員
そうすると、120、130km/hは出るわけですか。
●(社)日本舟艇工業会
65マイルは論拠に基づいて出された数字で、それをよりどころにやっております。
●中野委員
それを下げようという議論は業界としてはなっていないのですか。
●(社)日本舟艇工業会
いまはなっておりません。
●中野委員
確かに騒音は問題なのですが、騒音が低減されると危険が増える。なぜなら本当に近くに来るまで気がつかないことがよくあるのです。騒音と速度の関係も非常に重要なことで、視野に入れておく必要があることが一つあります。
先ほど「実体験をしたい」というご意見がありましたが、アーティフィシャルな、人工的に設定されたものではなく、現場へいくのはいいと思います。しかし、生活者の実感からすると、現場に行って聞くのとそこに住んでいる方が聞くのとでは、全く違うものです。そういうわけで、350mで上限を縛る必要はなく、暗騒音に近いレベルまで抑える水域の指定があってもいいと考えております。
それと、例えば大きな音であってもゆっくり近づいてくる音と、高速でいく音は明らかに鳥類に対する影響が違うという意見が懇話会でも出ておりましたが、デシベルだけではなく、いろいろなファクターがあるのではないかと考えております。
●会 長
どうもありがとうございました。それでは、時間もありませんので、この件についてはこれで終わらせていただきます。村越さん、鷲巣さん、ご多用のなかを本日は本当にどうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
●PW安全協会
どうもありがとうございました。
●(社)日本舟艇工業会
どうもありがとうございました。
2)航行指定水域の指定基準について
●会 長
ただいま、プレジャーボートなどについていろいろな角度からお話をいただきました。本日はプレジャーボートの航行規制水域の指定基準について検討をしていただきたいと思っております。次回は、この指定基準に基づき具体的な指定水域について審議をしていきたいと考えております。
それでは、事務局から航行規制水域の指定基準についてご説明をお願いして、ご審議をお願いしたいと思います。
・航行規制水域の指定基準について、事務局より説明しました。(資料ー1,2,5)
●会 長
どうもありがとうございます。いまのご説明に対しまして、ご自由にご意見をお願いしたいと思います。
●中野委員
この「1 保全の対象となる地域」と「2 河川境界からの距離と住居界からの距離」とは、横の広がり、縦の広がりをどうもつかということ横と縦の関係だと思います。まず横の広がりですが、このなかに公園が入っていない。子どもですと家に帰るとすぐにいろいろなものを置いて公園に出かけていきます。子どもにとっては公園はまさに「住民の生活環境」です。これが抜けているのでぜひ入れていただきたいと思います。
●嘉田委員
確かに「生活環境」という意味では「住居、病院、学校、その他」なのですが、公園を含め琵琶湖に求められてきた観光施設や保養施設、いわば「やすらぎの空間」があります。「ゆっくりできる静かな水辺」を求めて旅館や民宿、あるいは湖岸に遊びに来る人が随分いますが、そういう施設もぜひ入れてほしい。「公園」「保養施設」「観光施設」などがある場所は、静かな空間を提供するのがある意味で滋賀県の、あるいは琵琶湖の義務ではないかと思います。そういう意味では、条例の「生活環境」だけではなくて、レジャーのなかでも、あるいは休養、レクレーションのなかでも「静かなレクレーションを求める人たちが来る場所」はやはり規制をするべきだろうと思います。
私は基本的には琵琶湖全体がそういう静かな場になってほしいと、長い目では思っております。以上です。
●海東委員
私どもの町でもたくさんのレジャー客がみえて、いまは折り合いをつけて楽しんでもらっているという結果に至っています。そのなかでいってきたことは「やめてほしい時期があるんだ」という話です。それは、「禅宗のお盆と真宗のお盆の12〜16日はやめて」といったら、「それはわかる」といってくれて、最初のころに折り合いがついたのです。ですから、その地域ごとの風土、そして、先ほど「ローカルルール」といっていただいて大変よくわかってくださっていると思いますが、そういうことも含めて琵琶湖には多様な暮らしがあるのだと思います。そして、都会から1時間でくる「田舎」なのです。その田舎のよさ、静かさ、静寂を求めてくる人たちにとって魅力ある地域でもあるので、距離だけではなく、感性の部分も含め、滋賀県の暮らしがある程度尊重されるルールもここに網をかけていただきたいと思っています。もう少し大そうな話をすれば、水を拝む暮らしをいまでもしている人たちがあるのです。暮らしとの共存が一番ハイレベルな部分での問題ですが、考えていただきたい。やはり朝は鳥のさえずりを邪魔してほしくないのですね。
それから、「基準値以下ですが発癌物質をあなた方の飲み水に添加しています」といわれるのは大変堪えられないことです。安全性を立証するのか、危険性を立証するのかという問題はありますが、ぜひ業界でも、いままでの公害を生んできた方法ではなく、安全性を企業が立証するということをぜひしていただきたいと思います。
●早川委員
騒音の規制水域を決めるときの距離の問題で、この値をいくらにするかは次の問題だと思います。道路騒音の場合は不規則な車両がいろいろ混合している変動騒音としての環境基準の評価値です。ところが、水上バイクについては、いまは最大値で考えているわけですね。この水上バイクについては評価基準値が全くないのでどう考えたらいいのか私自身もわかりません。その値がそのまますぐに用いられていいのかどうか。片方は最大値で片方は変動値のあるL50なりLeqなりの基準値で指定距離を決めようという方向に進んでおりますが、どう考えたらいいのか。事務局でいまおわかりであれば、意向をお聞きしたい。
●事務局
いま最大値というお話がございましたが、今回の350mの検討はあくまでも保全水域の上限を決めるものですので、そういう意味で最大値を目安にさせていただいております。ただ、今回の航行規制水域につきましては、規制水域を決めますと、先ほども申し上げましたように、その後は当然モニタリング等をしてまいります。モニタリング等では、すべてのデータをとるにしましても、LeqやL50などの値も評価をしてまいります。さらに、例えば、先ほど「感性」という話もありましたが、規制ですので何らかの数値で評価をしないと難しい面もございますので、モニタリング等を通してやっていこうと考えております。
●細谷委員
何人かの委員の方が、おっしゃられましたように、人の問題、感性の問題、社会の問題という論議が出てきまして、自然環境に関する論議が少し抜けているかなという感じがいたします。いまの話はレジャー利用適正化で、規制水域をどこに設定するかは一つの課題だと思います。もちろん人とのかかわりあいは重要ですがその他にも守るべきものがあります。例えば琵琶湖の生物資源を考えますと一つは水産資源であり、もう一つは食用にはならない在来種です。琵琶湖の環境とそれに付随した価値は決して一様ではないということです。岩礁地帯、砂浜域、泥底もあり、「生物」という視点、あるいは「水産資源」という視点も入れていかなければならないと考えております。
琵琶湖の固有種に、アブラヒガイがあります。これは「油の被害」ではなくてアブラヒガイという魚ですが、1982年に新種記載をして調査をずっと続けてきたのですが、1990年代にはほとんどいなくなって、今では、絶滅したのではないのかと危惧しています。岩礁地帯を中心に分布しておりますので、基本的な水質やその他護岸などの物理化学的な影響はありません。いずれにせよ、第3、第4の人為的要因によって阻害されているということです。このことは、魚類のみならず水鳥も含めて「繁殖阻害」という視点が必要であることを意味します。そういった生物のサイド、あるいは水産資源のサイドに立った閾値設定も一つの目標、開発目標になるのではないかと考えております。当然、その調査については一体どこに責任の所在があるのか議論する必要があります。企業が努力された結果79dBが74dBになって、ベンチマークで3分の1に相当するというご紹介があったのですが、そのことで具体的にどの程度、どのような形で環境負荷が低減されているのか、確認することが前提です。以上です。
●加藤委員
いま出てくる意見があまりにも遊んだことのない人の意見が多いので、僕は遊んだことのある人間としての立場でいわせてもらいます。私は「ジェットの連中はうっとうしいな」と思っている立場ですが、あえて逆の立場でいわせてもらうと、恐らく、夏季の騒音調査の状況をみると、柳が崎へ行ったらすごくうるさい。でも、遊んでいる人がみたら、日中のこの地点1で63.6dB。「うるさない」と多分思うと思うのですよ。これが先ほど皆さんがおっしゃる「受け取り方の差」だと思うのですね。これは地域によって非常に違うと思うのですよ。例えば、ものすごく静かな北のほうにいけば本当に小さな音がしても「うるさい」と思うし、恐らく、柳が崎のバンバン音がしているところであれば全く何とも感じないかもしれない。遊んでいる人たちにすると「本当にこれ、受け入れてもらえるの?」という気がしてしまうのです。
やったことがない人や関係のない人は、それは嫌です。頭にも来るし来てもほしくないと思いますが、でも現実的にここへ来たいと思っている人もそこにいるし、それなら滋賀の人は京都や大阪へ行かないかといえば、やはり行って遊んでいる。そのへんをもう少し本当にジェットをやっている人の話をもう一度聞く必要があると思いま す。PW安全協会の人は、それは一所懸命マナーをよくしようと思っている。こういう場で遊んでもらうちゃんとした世界をつくろうとして努力しておられる人ですが、でも、そうではない人もやはりたくさんいると思う。そのなかでその人たちも納得できるルールなり、納得できる施設なり場所なりを与えてあげないと、いつまでたっても僕は解決しないと思います。ほかへ追いやって、というか、これだったら「「もう来るな!」といっているのか」と、多分遊んでいる人は思うと思います。
これはあくまでも遊んでいる人の意見です。ですから、「それを思われてでもやっていく」という気持ちはあるけれども、でも、納得させるには何かちゃんとした別の受け皿なり、エリアをつくって「そこはいいけどほかのところはだめだよ」とすべきだと思います。その考え方が「琵琶湖では全くだめだよ」というのであれば、それも一つの考え方だと思うのですが、そのあたりを考えてあげる必要があるのではないかと思います。
●北村委員
懇話会では「地域住民の生活と生業に対してできる限り負荷のかからない利用であること」と提言させていただきましたので、生業も含めたなかで、この地域、制限をひとつ、このなかで加えていただきたいなと思っております。
●林委員
皆さんのおっしゃっていることが全く変だなとは理解はしておりません。それなりに理解はさせていただいております。しかし、現状、皆さんのおっしゃっていることは、自分のまわりからは少しでも追いやりたいというようなご意見が多くて、問題の根本になかなか入ってきていないのだと思うのです。これはあくまでも「レジャーの適正利用」を考える会で、「邪魔者にすればそれでいいや」という会話ばかりになって、もっと根本原因がいろいろあると思うのです。
例えば、騒音のなかで25台が走るような状況のところは、限られた場所にブイを打ってそれをぐるぐる回っている連中とか、ある一つの遊び方であったり、そういうルールみたいなものが彼らのなかにも一つ決まっている部分があると思うのです。ですから、「そのルールで遊ぶには○○の場所ではないとだめだ」などとしてやらないと、1隻、2隻走るのも25台走るのも何もかもひっくるめて一緒くたにしてしまうと彼らには絶対に理解できなくなってしまうということなのです。
先ほど委員がおっしゃったように、たくさん走っているとうっとうしいです。うるさいです。それは現実にあります。でも、それが1隻、2隻が走っている段には別にそれほど思うことでもないですし、どうやって地元の理解を得られるかというルールのなかでやっていく段には、彼らもそんなにむちゃくちゃをするものばかりではないということなのです。ただただ「嫌だ」「排除だ」という感情でしゃべってしまったら、結局決めたことは何の役にも立たないことになる可能性もあろうかと思います。もう少し理解をしながらしゃべるという方法論をとっていただけたらと思っております。
●中野委員
一つは、「生活環境」ならば、「懇話会での提言のなかにも含まれていた」というお話がありました。また、もう一つ、滋賀県の環境基本条例の第2条3項に「公害とは」ということで、騒音その他によって「人の健康または生活環境(人の生活に密接な関係のある財産ならびに人の生活に密接な関係のある動植物およびその生育環境を含 む。以下同じ。)」と定義されております。これは恐らく理念的な上位法に当たるのではないかと思いますし、関係法の間で整合性がないと問題ですので、「生活環境」というのは当然このように解釈しておかないとおかしいだろうと思います。そうでないと今回の条例自体が環境基本条例違反のようなねじれの関係になってしまいますので、「生活環境」を「人の生活に密接な関係のある動植物およびその生育環境を含む」とするのは当然のことだろうと思います。これは、いままでの「環境」というものに対する考え方の一種の到達点なのですね。それまでは人間の環境を常に限定的に、まさに本日の資料で示されてしまったような「住居だけ」、あるいは教育施設などの建物に限っていたのです。しかし、そういうものだけではなく「もっと広く考えていこう」という理念が滋賀県の環境基本条例に示されているのですから、これに沿った考え方をしていく必要があるだろうと思います。
そうするとかなり広域に広がるのですが、一つ、350mという数値については議論があるとしても、これはすみ分けの方法として、横のすみ分けだけではなく縦のすみ分けもできるのです。海外の事例などをみても、サンフランシスコ市では、海岸で1200フィート(約360m)以内は水上バイク禁止としております。それは要するに縦のすみ分けを行っているのですね。そのような形で、利用者にはぜひこのような利用をしていただいたらいいのではないかと思います。縦の横の関係を考えていけばいいのではないかと思います。
●会 長
きょう提示されたのは航行規制水域の指定基準でございます。実際にいろいろご意見が出ておりますが、この条例を使っても実効性がなければ何もならない。そこで、実効性を持たせるためには、地域などと利用者との間でローカルルールを決めるなり、どのような形で実効性があるものにしていくかを考える必要があると思います。また、スムーズにするには「これを守れ」と守らせるばかりではなく、適切にそこに誘導できるような何か行政側なりのバックアップなど整備がなければ非常にまずいのではないかと思います。それは必ずしもハードばかりではなくソフトな面でも整備をやっていくことによって、そこに人が誘導されると思います。非常にやかましいところで「我々も耐えられない」とおっしゃっているのですが、それはそれで一つのレジャーのスタイルもあり得るのだが、それはどこでアローアブル、許されるかということだと思うのです。
この条例で、資料-1に示してある指定基準について、実際に区域を指定するのは次回として、基本的にこの基準の考え方で検討していくということでよいかどうか。そこらのところをお決め願いたい。
当然のことながらこういったものは、今後、実際にこれが施行され適用されたときに、それの効果なりそれに対する問題がいろいろ出てまいりますからモニタリングをきちんと行い、その結果によって適用範囲の改正も十分考えられるという非常にフレキシブルな考えに立って設定していくことが、僕は非常に大事ではないかと思うのです。湖岸の環境といいますか琵琶湖自体の環境という観点からも影響域があるではないかという意見もありますが、そうなると議論が非常に重なって問題を処理しなくてはいけません。それによってどういった影響が現れたか、あるいは改善されたかといったことを十分調査しなければ、必ずしも因果関係が明確になっている問題ではないと思うのです。
ですから、琵琶湖という水域を本当に大事にしようと思うときに、そういったことをただ規制するのではなく、今後のきちんとした調査に基づいて科学的にものごとを判断し、それによっていろいろの改善もやっていくということで進まなければ、非常に難しい。基本的には琵琶湖を大切にしたいと誰しもそう考えています。琵琶湖の自然環境が非常に大事だという基本的原点には皆さん立っておられ、そういう認識は皆さん持っておられる。琵琶湖の回復、自然の回復を考えるという基本に立っているのですが、実際に条例等を適用するとなると、いろいろな価値観の方がそこに集まってきているのですから、ルールが守りやすいような環境をつくっていく努力が非常に大事ではないかと思います。
それで、この航行規制水域の指定基準についていろいろご意見を賜ったわけですが、単に条件としてここに「1、2、3」と挙げている水域だけではなくて、というお話もございました。きょう出たご意見も踏まえて検討を進めていくということで、基本的にこの基準の考え方でよろしゅうございますか。
●中野委員
意見なのですが、前回は、初回ということでいきなり「350m」という数字が出てきて委員のなかからもかなり反発があったということです。
また、今回も業界の方のお話をほぼ1時間うかがうなかで、まだまだ十分に我々のなかで議論がなされていないのではないか。これは一番大事なスタートポイントですから、あまり拙速にする必要はないと思うのです。
例えば、過去の資料でPWCの「マナーズブック」では400mがうたわれていて、全く利用者の側からの発想でできたルールなのです。そこで400mという距離がどうやって決まったのかなど、そういうことをもう少し議論する必要があるのではないか。恐らく時間の都合もあるのでしょうが、少なくとももう1回ぐらいはこの議事について議論する必要があるのではないかと私は個人的には考えています。
●嘉田委員
事務局としても時間がないのはわかるのですが、ぜひ、希望者の委員だけでもいいのですが、早急に「この音であればこれぐらい」と感じられる場を、現場で何らかの場をつくっていただきたい。そうしないと、私、責任をもって委員としての判断をしかねるのが現状でございます。
●中野委員
これまで安曇川の議会、新旭町、恐らく志賀町などの自治会等々から要望が県に寄せられております。ぜひそういう、住民の方がどのように困っているのかということを資料として配っていただきたい。ぜひ、もう1回ぐらいは、住民の方をお招きするであるとか、現実にPWCを走らせている方のお話をうかがうとか、そういう話の機会をもう少し設けたほうがいいのではないかと思います。
●事務局
この航行規制水域につきましては、具体的にブイを浮かべてしっかりと区域の規制がわかるような形でということも考えております。そうしますと、少し事務的なお話でございますが、工事にどのぐらいかかるかといったことも出てまいりますので、事務局としては、次回、例えば個別の例をみながら先ほどご指摘のありましたような「ここは公園の区域まで入れたほうがいい」等のご議論をいただけるとありがたいと思うのですが。会長様のお裁きをいただければと思っております。
●会 長
350mが決められた根拠としては、先ほどのほかの資料でいろいろ確定した、あるいは計算した騒音のレベルに基づいて決められているわけです。そういうことに基づいて住居から350m以上という形になっております。先ほど「その他」の条件、あるいは、琵琶湖全体の自然環境に対する影響などをいろいろ考えると、なかなか収束しないのではないかと思うのです。ですから、反対があるとは思うのですが、いま示された根拠から出てきた350mという距離に設定して、その後、先ほど私が申しましたように、住民の方々や地域の方々から「これでは不満足だ」などいろいろ出てくる意見や、それともう一つは、規制するとしますと場所によって条件がすべて違ってくると思うのです。そういった意見や場所などを勘案して、それで水域規制をもう少し弾力的に考えるような規制にしたらどうかと思うのです。
●中野委員
重要だなと思っているのは、先ほどブイを浮かべるという話がありましたが、例えばこのときの景観をどう考えるのかという問題や行政費用その他の問題がいろいろあるわけです。
そこで、個人的には、むしろこれは全域を規制の範囲と考えたらどうかと思います。先ほど国定公園というお話がありましたが、「公園」という考え方を入れるとこれは全部国定公園なのです。「国定公園で公園を入れたら全部やらなければいけなくなるからできない」というのは、これは発想が逆なのです。国定公園というのはより一層高いレベルの保全なり何なりが求められていると理解すべきなので、「国定公園で公園を入れたら全部ダメだからできない」というのは、おかしな逆の現象になってしまっているわけです。この規制は基本的に全域にかけ、整備をする場所については内側を認める、そういう場所にのみ区域を示すブイを打つ。そのような形のほうがむしろ行政コストも少ないし非常に管理もしやすいのではないかと考えております。
350mをやらないという意味ではないのです。これは利用者の立場で海外でも認められていることで特に使い方が変わるわけでもありません。
それは自由にやっていただくということで、全域に規制をかけて、その部分部分で必要であれば、区域を設定して「ここではみんな車をとめて、みえるところでやってもいいですよ」という場所があればそちらの場所を探すほうがはるかにやさしいのだろうと思います。
●菅沼委員
それは次回以降に話すことではないのですか。
●中野委員
ところが、いまのお話だと、もう・・・
●菅沼委員
いや、それは、会議は続くわけですから。一人の意見だけで全部仕切ってしまうとこれは進んでいかないと思います。「それは次回以降に」と県がいったわけで、これをいきなりこの場で、私はちょっとおかしいと思います。
●中野委員
そうですか。
●菅沼委員
会議の進め方のうえでね。
●中野委員
逆の発想になっているのではないか。そのあたりの整理が必要と思ったのです。
●菅沼委員
それは、決める段階じゃないのです。
●中野委員
わかりました。
●会 長
いまの段階では、350mという基準を決める根拠として、先ほどの騒音基準の値が出ており、ほかに根拠があれば別ですが、一応これを適用することでどうかと思います。それで、次回、個々の規制水域の案を提示していただくわけですから、その際の条件を確実に明記していただいて、それでご議論を願うということでよろしいしょうか。
●中野委員
わかりました。
●会 長
では、次回に具体的な議論をさせていただきたいと思います。
長時間どうもありがとうございました。
(2)基本計画について
●会 長
大分時間も過ぎたのですが、きょうはもう一つの議題として、基本計画についてご議論していただくことになっております。
その前に、皆様からあらかじめ基本計画についてのご意見を事務局へ賜っておりまして、それが資料-6にまとめられております。これは大きく「琵琶湖におけるレジャー活動のあり方や目標」「レジャー利用の適正化に向けた施策」「施策の進め方」という三つに分けて、寄せられましたご意見をそこに載せていただいております。これを参考にして今日はご議論を願おうと考えております。時間は、かまいませんか。
●事務局
本日のご議論のなかでこれにかかるようなことも既に行われたところもございますので、場合によってはそれも含めた形でまた次回にご紹介させていただければと思います。
●会 長
それでは、意見をご参考にしていただきましたうえで、次回に三つの課題について、基本計画を事務局でつくっていただくことで進めていきたいと思います。
いつも時間を超過して申しわけないのですが、きれば3時間ぐらいでやったほうがいい。これだけ非常にいろいろの意見が出ますから、1時間ぐらい延ばしてください。
●北村委員
時間が短いですね。
●会 長
次回は、ちょっと考えてもらえますか?
(事務局、うなずく)
●会 長
中途半端になってしまって申しわけないのですが、第1回の内容を踏まえて皆さんに熱心にご討議いただきました。次回はさらに内容に踏み込んで、もう少し時間をとってご議論をお願いしたいと思います。
(3)その他
●会 長
何か全般を通じてご意見ございませんか。どうぞ。
●海東委員
この間、この委員をしていることで琵琶湖プラザのセミナーにご案内をいただいて寄せていただいたのです。いろいろ外から来るものを排除しようとする立場にあるのかもしれませんが、四級船舶を持ってボートにも乗ってジェットスキーもしていた青春時代の経験があります。それで、この間のセミナーを聞いていると、極めて良識のある人々がマナーを守りながら「自分たちもこの琵琶湖を守り、自然のなかでアウトドアを楽しむために参加をしたい」と感じたのです。その人たちと県との関係が、対立の関係から、まさに力を借りて一緒に建設的な話をやっていくことができる人たちだと思ったのです。
個々の課題については当然よくご存じのことだと思うのですが、どうしても新聞の論調は、すぐに「善玉」「悪玉」といったとらえ方をするものが多いような気がします。
このように進むと彼らが出しておられるメッセージを無視したままで、例えばパブリックコメントでも、処し方をどうするかというより「出しただけで結局滋賀県は何も聞かなかった」となる。私たちのこの滋賀県がそのような形でたたみ込まれてしまうのももったいないので、何かコメントがあれば聞かせていただきたいと思い発言いたしました。
●会 長
どうもありがとうございました。当然のことながら、琵琶湖の利用にあたっては、琵琶湖の自然保護は非常に基本的な問題ですが、公有水面である以上はいろいろの利用者があり、それは自由に利用できるものでもあります。その点で、マナーが守れるような誘導の仕方が非常に大事ではないかと思うのです。利用する側の意見を聞くなど交流も非常に大事で、パイプを閉じたような形で議論をしているのは非常にまずいと思います。例えば県なりいろいろな地域の方も、利用される方に理解できるような形での開かれた場という形で積極的に、啓蒙活動などをやっていただく努力が必要になります。それがないと、対峙関係だけでものごとが終わってしまい、まずいと思います。次回、基本計画をつくるに際して、あるいはこの施策を実行するにあたって「何が大事か」ということをご議論願うことでよろしいでしょうか。
(各委員、うなずく)
3.閉 会
●会 長
では、長時間にわたっていろいろ貴重なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。それでは、これで終わらせていただきます。
以 上